ジョン・バーニンガム

バーニンガムは、劇を見ているような絵本をつくれるひと。イギリス生まれ、作品多数。ケイト・グリナウェイ賞を2度受賞した人(そんな人、いないです)

ハプニングについて思うこと。
ものすごく昔、幼稚園の先生が言っていた。夏休みにお出掛けして親の思う通りのバカンスができたことはあまり子どもの心に響かない。むしろ、車が渋滞して大変だったり、お父さんとお母さんがケンカしたり、自転車がパンクしたり、そういったハプニングは子どもの心に深く残るし子どもに深く考えさせる機会となる。そういう機会を捉えて、よく話しを聞いてやること(子どもの思いを引き出す、うけいれる)
ガンピーさんの絵本をひらいて、ちょっとそんなことを思い出した。

ガンピーさんのドライブ
がんぴーさんがおでかけします。子どもも動物も車に乗せてもらって楽しく出発したら、ぬかるみにはまってくるまがうごかなくなります。さて、みんなどうやってこのピンチを切り抜けるでしょうか

ガンピーさんのふなあそび
ガンピーさんと皆が船に乗って出掛けるけど、ハプニングが起きる。さてどうするか?

こちらの方が先に世に出て広く受け入れられ、評判となった。ただ、船遊びは体験しないとなかなか想像できないね。イギリスでは本当にヨットが子どもにも身近なのだな。
プールでちょっとがんぴーさんのふなあそびごっこをしてあそびますか?


ねえ、どれが いい
この本は、2つの究極の選択を突きつけて、子どもの笑いを誘う本。子どもらしい想像の数々に、エーって言いながらとりあえず自分で選択をしてみる。
読み聞かせの時間にこの本を使うと、だんだん、子どもたちのブーイングが大きくなって楽しい。えー、ありえないんだけど!とか、うそー、どうしてもー?なんて、結構真剣に悩んでくれちゃう.

実際の生活では、子どもにお風呂?、宿題?ってつねに選択というより注文している親として、こんな楽しい想像をして柔軟に子どもの世界を大切にして行けたら、毎日がもっともっと楽しいですね。親も子も。しかし、時間に追われちゃうんだよね

ところで、これはバーニンガムさんの本だけれども、次の二冊の表紙を見比べて欲しい。

おじいちゃん(谷川俊太郎

grandpa


ちょっとこれは違和感が有りませんか?出版の問題かも知れないけど、表紙の題字も絵も雰囲気も違うでしょう?一体なにがどうなっちゃってるの?と思わざるを得ません。これは表紙の絵から与えられるおじいさんへのイメージが全く違う。二つの違う本なのかなにがあったのか調査しなくちゃ気が済まない。売れている本だけにね。何故この場面のクローズアップなのかと。
バーニンガムの持つ広々とした砂浜の景色の中のふたりの絵の方がずっと愛を物語っているように思える
向こうの出版社の本には祖父と孫の友情が書かれているとある。そうなんだ、友情なんだ、と思ったりした。

最近の翻訳絵本の題字が粗末にされすぎに思えて、私は悲しいです。
表紙の美しさ、原書の意図を伝えることをもっと大切にしたいです。