かしこいビル

ウィリアムニコルソン作 まつおかきょうこ、よしだしんいち訳 ペンギン社
かしこいビルは、鉛の兵隊さんで、頭にはふわふわの黒くて背の高い帽子をかぶり、その手にはシンバル。そしてメアリーの勇者なんです。ある日おばさまから招待状が来てメアリーはお泊まりに出掛けましたが、何度も荷造りし直しているうちにビルを入れ忘れてしまったんです。さあたいへん、ビルは泣いて、立ち上がり、走りだしました。勇者の旅が始まります。

何とも古い絵本の形態(色印刷ではあるけれど?赤青黄色黒の四色で印刷してあります)なのですが、ビルの活躍をたっぷり伝えてくれるし、イギリスの子どものおでかけの持ち物がまたとてもいいです。

たいへんだ!と走り出した時のビルを応援する気持ちが本を読む部屋を包みます。

余興として、まれに私はかしこいビルを読んだ後、線路の切れ目を走る汽車の音をみんなでつくることがあります。ガタンガタン、て音がするのは線路の継ぎ目を走る時なのよ。その回数を数えるとどんなに遠くに来たかわかるのよ。
小学校のとき推理小説がはやって、これで誘拐された少年が移送距離をしらべ、アジトにいたるという話が有ったんです。