オオカミ族の少年トラクのはなし

クロニクル千古の闇1オオカミ族の少年
ミシェルベイヴァー作 さくまゆみこ訳 酒井駒子絵 評論社 (2005年日本版)
オオカミ族とよばれるグループに生まれた少年トラクはなぜか父と二人で森の中で暮らしていた。ある日呪われたクマに二人は襲われ父はひん死の重傷、自分も怪我を追う。クマがもう一度二人にとどめを刺しにくる前に、父はトラクに逃げろと命じる。また、天地万物の精霊の山に行く事を誓わせるのだった。
ものすごく強い殺しを目的とする敵が主人公に襲いかかってくる運命とか、トラクがオオカミ語を理解してしまういうところがハリーポッターを連想させてしまうものの、主人公トラクと親を失った子オオカミとの絆、他部族とのかかわりなど引き込まれるように読みふけってしまった。

アメリカ大陸に生えている植物と日本の植物との完全な一致を見る物もあるが、未知の植物も多いので深い所まで理解できないのが残念。ネイティブアメリカンの元々の生活のスタイルにも通じる所が有るようにも思えるのだが、こちらも日本語の文献を私が読み込んでいないので、直ぐにイメージできないのが残念。北部アメリカに住んでいたらもっとこの本を読んで広がるイメージは深くリアルな物になるのだろう。

秋田の山脈を歩いて来た人から2、3年前にブナの実をいただいたことがある。3粒のブナの実は香ばしい木の実の香りともみの木のような揮発性の高い木のヤニの香りがした。
そういえばそろそろ、ケンポナシの落ちる頃である。