よあけ

よあけ ユーリシュルヴィッツ作絵 福音館書店
えほんをしずかなえほんと、にぎやかなえほんにわけるとしたら、この本はしずかなえほん。よんだあとに静寂の良さが部屋をつつむ体験をする。

ポーランドでうまれて、幼い頃から絵が好きだった。第二次世界大戦という戦争が起きたので、家族でパリに、そしてイスラエルへ移り住んだ。両親は小さい頃から画才を認め描くことを勧めたと言う。おとなになってからアメリカに渡り、画家として人間として生きた。この作者の絵本はどれもしずかだ。

ポーランドからアメリカへ。

静かな本は、よんでやるときに、いちばんさいごに もってくると、帰り道 こどもたちは 自分と本をとおしての体験を考えながら帰る。


静かな本は、集まった子どもがざわざわと興奮をひきつれてきたときにもつかえる。声をはらないで静かに読む。この時には、ざわざわを抑えるようにより大きな声で読んだとしても効果がない。もし、すぐ治まらないようにざわついている時には、読み始めない。しばらく待つか、一旦、ざわざわを大きくするようなことを行うとよい、たとえばてあそび、たとえばはくしゅをまねさせる、声をだして絵本の題や作者を読んでみる、あるいは背伸びや片足立ちなど体を動かす。皆が演者のマネが面白くなった所でやめて、読み始めるとよい。
すーっと心がこちらに近付いてくるのがわかるだろう。

夜明け前から日の出までの静寂、闇の中から色が生まれてくる瞬間の色の変化が迷いの無い筆で描かれている。

静かさと向き合う自分。

*あめのひ という作品もあるのだが、版元品切れか?
そらとぶふねと世界一のばか 神宮輝夫訳(ロシアの話より)こちらはアメリカで賞を取っている本である